いっしょの食事

家族といっしょに食事をすることは大事だと分かっていても、仕事が忙しくてできないことが多くなってしまいがちです。ですから、少なくとも孤食をさせないように、「大人といっしょの食事」をすることが必要だと感じています。

フリースクール未来・松代校では、忙しい家族に代わって、大人や仲間といっしょの食事をしています。ボランティアのお兄さん、お姉さんといっしょに同じものを食べたり、仲の良い友達といっしょに、会話をしながら食事をすることで、情緒が安定し、寂しいという気持ちが晴れていきます。最初は、一人でポツンと食べている方もいますが、声を掛け合って可能な限り一緒の食事をします。

また、子どもだけでも料理ができるよう「電気なべ」を使った料理にも挑戦してもらいます。電気なべは、ガスコンロを使うより安全で、寄せ鍋のようにみんなで囲んで食事ができます。また、ホットケーキなどのおやつ作りも可能です。皆様からのご寄付により、ご家庭に「電気なべ」を持ち帰り、ボランティアの方が付き添い、家庭で食事がつくれるようにもしていきたいと思っています。

さらに、調理についても、できるだけ子供たちといっしょに作ることにしています。野菜を切る、皮をむく、から始まり、炒め物、煮物などの出汁や塩加減などを学んで、健康的で栄養バランスの良い食事ができるようにしていきます。これは、食育にもつながります。長野県の郷土料理の一つである「おやき」にも挑戦していただきます。

家族といっしょに食事ができなくても、子どもには「誰かといっしょに食べる」という経験を通じて、自立をうながしながら、楽しい人生を過ごすことを、記憶に残していってほしい。